加々美作品 加々美萌

加々美 萌

Megumi Kagami

ガラス造形作家。多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム卒業。 小さな頃から生き物が好きで、その可愛らしい魅力に影響を受け、見た人が思わず笑顔になるような作品作りをテーマに、ガラス作品「おとも」を制作。ギャラリーでの展示参加、イベント出展などを中心に活動している。
下北沢のレンタルボックス「素今歩」にて、ポストカードとガラスの「おとも」を販売中。
Instagram: @glass_no_otomo・Twitter: @415megu

vol.1 楽しい時も苦しい時も、そばにいる存在

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ガラス作家を志したきっかけや経緯を教えてください。

大学卒業後、はじめはただただ作ることが好きだったので制作を続けていましたが、作品を気に入ってくれた人や展示に来てくれた人、「おとも」は色々なことができるねと言って可能性を広げてくれた人、手を貸してくれた人など、たくさんの出会いを通して、作ることや表現することは、認められて嬉しいこともあるし、大変なこともあるのだと知りました。そして、その大変さも含めてとっても素敵なことだと思ったのです。だからこそ、本気で全力で作ることに向き合いたいし、そうしてできた作品を見てほしいと思うようになりました。

日々を過ごす中で、そしていくつもの展示やイベントに出るたびに、作りたいもののアイデアが出てくるので、毎日制作・表現することを中心に生きたい、趣味ではなく本業として作家になりたいと思いました。また、自分らしい・自分にしかできないガラスのかわいらしさや魅力を、作家になって追及したいとも思いました。

制作を続けること—作ること・発表すること・展示の機会をつくり人に見てもらうこと・手に取ってもらうこと—は、人とのつながりを持つことだと感じていて、作品のことをいいね、好きだと言ってくれた人たちの言葉があって、作家として活動できているなと思っています。

ガラス素材のどのようなところに魅力を感じていますか。

いくつもあるのですが、技法によってつやつやになったり、すべすべになったり、色々な表情があるところ。手に持った時の重さも、存在感が感じられて魅力的だと思います。それから、表面の磨き具合でふんわりと柔らかな光を通すところも好きです。綺麗だと思うし、生き物の持つ透け感に近い印象もあって、とても愛おしく感じます。ガラスは樹脂などとは違って経年劣化が少ないので、作品とずっと一緒にいられる素材なのもいいですね。扱いにくいと思うことも多いですが、そのおかげで自分の「好き!」が作れるのかなと最近思うようになりました。

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今の作風のきっかけと、「おとも」の由来を教えてください。

大学の卒業制作にあたって、自己分析をしたりする中で、課題とは関係なく、自分の作りたいものってなんだろう?と考えました。

私は、小さい頃から生き物にとても興味があって、絵に描いたり、気に入ったところを組み合わせてキャラクターにしたり、お話を考えたりすることが好きでした。それを人に見せて楽しんでもらえるのが嬉しかったので、そういったキャラクターをガラスで作ることにしたのです。

このキャラクターには名前がなかったのですが、いつでもラクガキをしていた自分のそばにずっといる存在だなという思いから、卒業制作のタイトルを「ぼくらがついてる~おとも~」としたことで、はじめて名前をつけました。私の「お供」という意味ですが、今は、手にしてくれた方の「おとも」になっているように思います。

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どのような技法でつくられているのですか。

電気炉を使った「キルンワーク」という技法で作っています。作業手順は、
ワックス原型→石膏型取り→脱ロウ→ガラス詰め→電気炉で溶かす→徐冷→型を壊してとり出す→機械研磨→棒やすり→紙やすり→サンドブラスト→目玉をつける→サイン入れ→完成! だいたいこのような流れです。作業は電気炉から出てからの方が時間かかりますね。でも、磨きを重ねて、時間や手をかけた分だけ可愛くなってきて作品の魅力が出て、愛着も湧きます。

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作品を通して伝えたいことは何ですか。

「見た人が思わず笑顔になるような作品」をテーマに制作しています。
人はかわいいものを見ると笑顔になりますよね。私は生き物の仕草や表情などに魅力を感じるので、そういったものを作品に反映しています。自分の作品が、楽しい時には一緒に笑顔に、疲れた時や苦しい時にはちょびっとでも気持ちを変えるきっかけになるといいなと思うので、私自身は「楽しい気持ちで作ること」を大切にしています。

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今後の展望について教えてください。

これからもたくさんの人に作品を見て・知ってほしいので、展示やイベントなどで見てもらう機会を大事にしていきたいです。 それから、実在するいきもののシリーズやアクセサリーなど、作りたいものを作る! 「おとも」については、そのお話を絵本などにして、「おとも」を物(作品)としてだけでなくキャラクターとしても大切にしていきたいです。

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フォトグラムを見て感じたことを教えてください。

自分の作品にはいつも色があるので、モノクロのフォトグラムになったときにはどんな印象になるのか興味がありました。作品を見たとき、ふんわりとしたグラデーションに色はないのに、おともの柔らかな雰囲気を感じて、ふんわりと光を透かす表情が出ている!と思いました。おとものふんわりした印象には、色だけではなく光も影響していたんだと気づきました。

ありがとうございました。